【管理人コラムVOL.57】若月が粘り強く起用される「具体的な」理由とは。

こんばんは。オリックスバファローズ最新ニュース管理人のHALです。

試合の中日が続くってことで、注目選手をピックアップしてコラム記事を書きたいと思います。

テーマは…こちらの選手でいきたいと思います。

昨日のケガが心配される、若月健矢捕手について、です。

■なぜ、若月は「粘り強く」起用されるのか。

しかし、昨日の死球は本当に心配。もしこれで若月が離脱ということになると、めっちゃくちゃ痛いです。

ただ、若月の件に関してはものすごく議論が巻き起こってますよね。基本的な守備力や打撃面では伊藤に劣る上、その守備や打撃に関しては「いいとは言い難いことがどんな人が見たってわかる」から、余計にバッシングの対象になっているんだろう、と思います。

では、なぜそれでも若月を粘り強く起用しているのか。これにはとある「データ」が非常に大きく関係していると思うんです…。

■バファローズは現在、QS率1位。

文春コラムでDOMI氏が取り上げていたのでご存知の方も多いかと思いますが、そのコラム当時を上回って、バファローズの投手陣のQS率は現在1位なんですよ。とうとう、あの首位の楽天を抜いたわけです。

で、バファローズの先発投手陣の各QS率を見ると…

山岡泰輔 75.0%
松葉貴大 69.23%
西勇輝 66.67%
金子千尋 62.5%
ディクソン 46.67%

…というように、十分すぎる成績なんですよね。ほんで、ディクソンもQS率こそ低いですが、それは失点ではなくイニングイートの問題であって防御率はリーグ5位の2.58。

この数字が示すのは、バファローズはパリーグで1番、試合を作ることができている、っていうことなんですよね。要は、ふつうレベルの援護があれば余裕で勝てる状態は作れている、ってことです。で、それを主に引っ張っているのは若月なわけで…。評価が低い方が、むしろ違和感があるほどなんですよね。

■実は、金子の被打率は「めちゃくちゃイイ」数字…だからこそ。

ただ、これだけだとディクソンよりもQS率を出している金子をリードしていて、守備や打撃は若月を上回る伊藤も使えばいいじゃないか!って話には当然、なるところ。

ところが、伊藤の起用について、二の足を踏まざるを得ない事情も「数字」に表れているんですよね…。

その数字っていうのが、被打率と防御率の相関性。

おそらくですが、伊藤が組んでいる金子の調子について、本来の調子ではないのは共通の認識だと思います。手術以降の彼の出来は、いろいろな意味でエースとは程遠いと思います。自分のピッチングがチーム事情以上に前に出てくる姿勢もよろしくないし、ボールの質も落ちていると思います。

ただ、そんな彼ですが実は被打率に関しては大したことない、どころか、むしろいい(.232)。金子より被打率の数字がいいメンバーは、菊池雄星、岸、東浜、美馬の4人だけ。

ということは、当然ながら防御率もそれに付随して「良くないと」いけないはず。上記の4人はいずれも防御率2.50を下回っています(というか、防御率4傑)。

ところが、金子の防御率は3.58。つまりは、それだけピンチで粘れていなくて、打たれているときは痛打であるということ。

加えて、余分な四球も多く(リーグ2位。1位の佐々木千隼と1個しか変わらない。彼の防御率は5.61)、被弾も多い(3人並んでリーグ1位タイ。中田賢一、唐川侑己の防御率は各5.18と4.31)。

加えて、佐々木千隼、中田賢一、唐川侑己の三名は、そもそも被打率が金子より高いって事情もあり(各.257、.261、.271)ある意味、数字が金子よりも悪くて当然といえば当然(もっとも、佐々木と中田は悪すぎだけど…)。というか、金子の現状の被打率で、不振をかこっているメンバーのところに名を連ねてしまっていることが金子自身はもちろんのこと、伊藤も非常に悔しい思いをしていると思うんですよね。(加えて、打率も若月と大して変わらない、となると…)

つまりは、先日伊藤がヒーローインタビューで語っていた「ふがいない」というコメントは、至極当然のモノであり、もっと数字を改善しないと厳しいというのは本人が一番わかっていると思うんですよね。だからむしろ、そういうコメントが聞けてホッとしたぐらいなんです。マジな話、是が非でも改善してほしいところです。

■総得点の少なさにも関わらず、素晴らしい「踏ん張り」。

加えて、このデータは、若月が金子よりも被打率の高いメンバーを率いた上で、防御率、CS率を高い水準で保っているということの証明にもなりますから、そら外すのに二の足を踏んで当たり前、なんですよ。加えて、現状は打線が上位三チームほどは点を取ってくれていない。大きく点を取られる可能性が低い方に賭けるのは、自然な判断やと思うんですよね。(課題とされているキャッチングも「目立つ」だけで、実は大して失点に関わっていない)

で、この判断を首脳陣にさせるほど、若月の配球能力は高いんですよね。若手枠とかお気に入り枠なんていうモノではなく、実力で掴んでいるものだというのは数字も証明しているところなんですよ。

さらに付け加えると、得点数が100点近くも違うライオンズと、そこまで大きく変わる数字ではないレベル(ライオンズ3.34、バファローズ3.49)で防御率をまとめているのは、本当に本当にものすごいことなんですよ。マジな話、もっと評価されてほしいところ。

■だからこそ、目立つところをなんとしても改善してほしい。

だからこそ、若月には「目立つところ」をなんとしてでも改善してほしいんです。

キャッチング技術が上がればもっともっと配球がラクに、自由にできますし、打てた上でリードが良ければホンマのホンマに、それは黄金期の始まりを予感させるに十分だと思うんですよね。

ですので、まずは顔を治して、ドンドン成長していってほしいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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「【管理人コラムVOL.57】若月が粘り強く起用される「具体的な」理由とは。」への8件のフィードバック

  1. 若月の試合をつくる能力は評価されるべきですし、
    伊藤との争いも現状は実力で勝ちとったものと思います。
    ただ、伊藤は当初3塁も守らされていたので…
    きちんと捕手として争わせていればバッシングも
    これほど起こらなかったのでは。。

    若月の課題はバントを確実に決めることもですね。
    若月が課題を改善できれば、年齢も若いし、
    バファローズの黄金期がたしかに見えてくると思います。
    まずは怪我の回復を。

    1. 奈良人さん
      コメントありがとうございます!

      そう。その三塁を守らせてしまったこと。これがよろしくなかった。
      ただ、その3塁を守っていた時4月の方が、リードは冴えていたというか…汗
      そういう意味では、見る目があったのかもしれないし、と思うと、マジで複雑と言うか…。

      そう、バントもほんまね。チーム全体の課題ですが…。
      若月、若いのもめちゃくちゃ魅力。真面目な話、同年代のキャッチャーでは断トツナンバーワンやと思っています。
      なんせ、ケガを治して、頑張ってほしいですね。

  2. いつも楽しく拝見させて頂いております。

    私は2014年からのファンです。
    オリックスが調子良いらしい、ということで何気なく行った京セラドームの試合(大阪クラシックのホークス戦でした)で、伊藤光選手がサヨナラ犠牲フライを放ち、そこからチームのファンとなり現在に至ります。また、このシーズン終盤の伊藤選手の勝負強さ(打線が苦しくなってきた9月は特に目立った殊勲打が多かった)や、10/2のあの涙は今でも忘れられません。

    チームを応援するきっかけを与えてくれた伊藤選手に対して個人的な思い入れも少なからずあるせいか、2015年、2016年の彼に対する風当たりや、今年に入ってからの完全にチームの主力メンバーではない扱いを見ると、現状見てて辛いのも事実です。

    今年は若月捕手を中心に、というチーム方針があってか序盤から試合が壊れてしまうということも少なく、勝敗こそ負け越してはいますが途中までわからない、という展開が多いのも事実であり、HALさんの分析はその通りだと支持します。

    ただ、先発投手のQS率を比較できるほど伊藤選手はスタメンでのチャンスが限りなく少ないのでは、と思うのですがいかがでしょうか?逆にリリーフ陣に対しては伊藤選手が捕手時の方がデータが良いのはどのようにお考えですか?

    現在の首脳陣がどう考えているのか、チーム内で何が起こっているのか、当事者でなければ本当の所はわかりません。ただ、一度自分の中で決めたプランや先入観は頑なに変更しようとしない福良氏のこれまでの言動や、データを見ているとはとても思えないような起用がファンの反感を買い、その象徴である若月選手がスケープゴートとなっているように思えます。

    私は捕手問題に関しては感情が入ってしまうので、論ずるべきではない、と自分自身感じてます。
    伊藤選手、若月選手、それぞれに持ち味があるのでもう少し上手く使い分けができないものか。今はただそれだけを願います。

    1. ヘルマンさん
      コメントありがとうございます!

      伊藤ファンの方からの丁寧なコメント、非常に嬉しく思います。

      14年の伊藤は特に打での貢献が印象的でしたね。実は、あの年の9月にはすでにリード面での苦戦は始まっていた(チーム成績が良かったこともあり、誰も何も言ってなかった気がします)んですが、そこでうまく課題(私が認識していたのは無茶なインサイド使いと、裏をかこうとして「武器にできないボール」で決めに行って痛い目に遭うこと)を認識できないまま、15年、16年と迎えてしまったこと…これに加えて「4月に配置転換しなければいけないようなコーチ」に2年続けて当たってしまったこと。この2つが伊藤の低迷に拍車をかけてしまったように思います。

      実際問題、私自身伊藤の件では去年、おととしと期待ゆえにガッカリした(特に15年に関してはまずい発言もあったりと…)こともあり、かなり強い論調で批判をしたこともありました。ただ、それでも伊藤はリード面さえ水準クラスに成長(あえてこの言葉で書きます。特に14年の前半は投げミスなどほぼしない投手陣でしたから…)すれば、まだチャンスはあると思います。

      伊藤のデータサンプルとしては松葉のリードが挙げられると思うんですが…
      4/5ライオンズ戦、8イニング0、の数字がありながら、それでも若月の防御率に劣る(若月3.53、伊藤3.72)のと、加えてQSを逃した試合はゲームメイクができていない(5/17ホークス戦5失点、エラーでかわいそうな側面もあったとはいえ4/12マリーンズ戦6失点、あとは若月から引き継いだ5/3イーグルス戦でも痛恨の被弾…)のも事実ですしね…。加えて他のメンバーも若月マスクで結果を出し続けていますし、今から組み替えなきゃいけない、またそのリスクを背負わなければならない理由が見当たらないのが実情かなと思います。伊藤はいずれかのチャンスを活かしていれば、もっと出番あったと思います。

      で、リリーフも、正直平野以外は若月リードで気になるところはないんですよね(平野以外は伊藤でも打たれているのでどっこいどっこい)。平野の「フォーク」に関しては若月のキャッチングが影響している側面もあると思いますが、何分最近は直球が満足にコントロール出来ていない状態ですから、アレは平野がなんとかしないといけないと思います。
      というか、リリーフこそうまくデータで比較できないかなと思います。伊藤は途中出場ゆえのスタミナ面での有利さ(というか、ここは伊藤がハッキリと勝っている)もありますし、はたまた少し打たれればたちまち数字が悪くなるし…ってことですね。ただし、伊藤マスクで平野が0.00というのは参考にしてもいいデータだとは思います。

      で、頑なさ、っていうのはある意味「監督として必要な資質」でもあるので、なんとも言えないところでもあります(結果が悪かったとはいえ、昨年のナカジショートを即取り下げたのは最悪だった。なら最初からやるな!って話になってしまう)。あとは、データだけで野球ができると思っているファンも多すぎると思います(データで済むなら監督要らんわ、です)。

      使い分けをするとしたら…。西に関しては伊藤が組むのもアリかもしれないと思います。横変化が中心の投手なので、スライダーを好んで使う伊藤とは合うかもしれません。

  3. 平野との相性?の悪さもどうにかするべきだと思います。
    若月だけのせいではありませんが、平野の5敗は全て若月がキャッチャー時ですし、これも批判される要因だと思います。

    1. ゆうさん
      コメントありがとうございます!

      そう、これは事実ですからね。しかもキャッチングミスも込みですしね。
      とにかくキャッチングは磨いていってほしいところです。

  4. 近鉄バファローズからのファンです。
    愛情感じるブログ、楽しませて貰ってます。
    危険球を受けたばかりの若月が今日も受けてます。
    伊藤は完全に金子用…ファンとしては
    非常に辛い。昔々、今日の対戦相手の楽天の梨田監督が現役の時もエース鈴木には梨田ではなく、有田捕手でした。でもあの時は有田ももう少し出番が会ったと思います。他の方も書いておられたように
    西投手や松葉投手の時は伊藤でいいように思います。四月の西武戦の松葉良かったですよね。西のノーヒットノーランで涙した伊藤も忘れられません。詳しいデータなどは分かりませんが福良さんに一考を促したいです。サードでも頑張ってる伊藤が不憫でおばちゃんファンは心を痛めてます。
    長文ごめんなさい。これからも頑張ってください。

    1. てるてるさん
      コメントありがとうございます!

      そのように言っていただけて光栄です。ありがとうございます!

      ありなしコンビ…。彼らは二人とも「打力」がありましたからね…(あの打力なら、今のパリーグならどこにいっても屈指の打力と言われるはず)。実力もどっこいどっこいだったと伺っています。確か、年齢もそこそこ近かったかと思います。だから、出番もなんとか、分けることができた、ってのはあるかなと思います。(あくまで伝聞ではありますが…)

      若月と伊藤は打力が現状はもう、どっこいどっこいレベルになりかけている上、若月が6歳も若いのも大きく、やはりもっと安定して試合を作れる形が是が非でも伊藤としては欲しいところだと思います。

      どちらかというと、西の方が伊藤と組んでもいいかなと思います。だいぶ制球力戻ってきましたし(伊藤の配球は制球力の要求が高いのでね…。うまく初球を、狙いを外して甘いところでもっと取れればいいんですが…)松葉は多くを求められるタイプではない&クヨクヨしやすいタイプに見受けられるので、ビシッと言いたいことを言える若月の方が合うかなぁ、と個人的には思います(伊藤はあの一試合はよかったんですがね…。現状、数字上も若月の方が上回っています)。

      どちらにせよ、うちの投手はもう少し制球力を高める必要があるのかなぁと思います。言ってしまえば、投げ損じが減ればオーソドックスな配球で十分抑えられるはずですしね。さらに言うと、攻撃面をなんとかしないと、ですね…。

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